咲(saku) 愛(mana) Day's

日々の生活の中に、”愛おしい”と思えることを見つけてゆきたい

さくぽんの相続体験記(番外編) ~不動産篇~

【本編のあらすじ】

「キンクマハムスターの女の子、さくぽんには大好きなお父さんがいましたが、離れて暮らすことになり、そしてある日、お父さんが亡くなったことを知らせる手紙が届きました。
お父さんの家で葬儀の喪主を務め、まさかの争族に直面するも根性で乗り越え、そして難解な相続手続きを一人で行い、ようやく落ち着いた生活を送れるようになったのでした。」

さくぽんの朝は、写真の中のお父さんに話しかけるところから始まります。

「お父さん、おはよう!今日もいい天気だね。張り切って行ってきます!!」

お父さんが亡くなってから早、半年。相続手続きも無事、終了して、さくぽんは大好きなお父さんとの思い出を胸に、前向きに生きていました。

全てが終わった。もう思い悩むことはないんだ・・と信じたい気持ちを持ちつつ、しかし実は、さくぽんには一つ気がかりなことがありました。

それは、お父さんが住んでいた家のことです。

大地主の跡取りだったお父さん。土地の名義は全て、おばあちゃんになっていましたが、家だけはお父さんの名義になっていたのです。

唯一の相続人だったさくぽんは、必然的にお父さんの家も相続することになり、お父さんの家の名義はさくぽんの名義に変更したのでした。

今後どうするか、そのうち相談しないと、と思っていた矢先、またもや親戚から手紙が届きました。

そこには、こう書いてありました。

「道路との境界の塀を取り壊すことになりましたが、名義はどのようになっていますか?」

さくぽんは、「土地の名義はおばあちゃんです」と返事を出しましたが、急に不安感が増してきました。

自分が住んでいない、離れた土地に建つ家屋を所有して、その家屋に関する責任を果たしてゆくことができるのだろうか?

そしてあれこれと思案するうちに、自分が成すべき一つの道が見えてきました。

「おばあちゃんに、お家を譲ろう」

お父さんとおばあちゃんの家。お父さん亡き今、お家はおばあちゃんの名義になるべきだと。

早速、どうすれば譲れるかを調べてみたところ、名義変更は両者の合意があればできるけれど、大きな問題があることが分かりました。

それは、贈与税がかかるということです。

普通に売却するよりもかなり安い値段、または無償で譲った場合、固定資産税評価額を基準に贈与税がかかるというのです。

おばあちゃんに余計な負担をかけたくない。どうしようか・・と悩みながらさらに調べを進めてゆくと、一筋の光明が見えてきました。

贈与税には非課税枠があり、年間110ハムまでの贈与については贈与税がかからないのだそうです。

そこでさくぽんは、まずおばあちゃんに贈与税がかからない金額のお金を送り、そのお金で家屋譲渡にかかる費用を賄ってもらう方法を考えました。

おばあちゃんに手紙を書いてそのことを伝えると、おばあちゃんからは喜んで提案を受けいれるとの嬉しい返事が。

さくぽんに家を持ち続ける負担をかけるよりも、土地、家屋共に自分の名義にした方が良いとの判断だったようです。

手続きの正確性を期すために司法書士さんに間に入っていただき、贈与契約書も締結して、無事にお家の名義はおばあちゃんに変更されました。

これでようやく、ようやくさくぽんは、本当に肩の荷を降ろすことができたのです。

さくぽんは、写真の中のお父さんにこのことを報告しました。

「お父さん、さくぽんはおばあちゃんにお父さんのお家を譲りました。これで良かったよね?」

写真の中のお父さんは、いつもと変わらない笑顔でしたが、その笑顔がふと、いつもより輝いて見えました。

「さくぽん、本当によく頑張ったね。お疲れ様。これからは自分のために、人生を生きてゆきなさい。」

ふと、写真の中のお父さんからそんな声が聞こえたような気がして、さくぽんはニッコリ微笑んだのでした。

(今度は本当に)終わり。

~~~ 解説 ~~~

皆さま、こんばんは。sakumanaです。

「さくぽんの相続体験記」、全7回シリーズで一度、完結していましたが、その後の後日談がありました。

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父が住んでいた家屋の名義が父本人になっていたため、相続財産として私が引き継ぐこととなったのです。

相続手続きの際は、書類作成などでいっぱいいっぱいになっていましたが、いざ、変更されると大きな問題を抱えたことに気づきました。

離れた土地にある家屋を所有するということ、そして土地との名義人が違うことは、いずれ揉め事の素になるのではないかと。

なるべく早期に、土地の名義人に家屋の名義人を統一した方が良いのではないかと考えました。

幸いにも、土地の名義人(おばあちゃん)も同じ考えだったようで、手続きはスムーズに進みました。

こちらが司法書士さんに作成いただいた贈与契約書です。

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費用負担については様々な考え方があると思いますが、父ならどうするだろう?と考え抜いた結果、上記のような方法を選びました。

私はおばあちゃんのことも大好きなので、心配事がなく、安心して暮らしていって欲しいと思っています。

たとえ、もう会えないとしても、心の中で父と同じように、ずっとずっと大切に想ってゆきます。

そしてもう一つ、お知らせがあるのですが・・、さくぽんのモデルとなりましたハムスターのさくらが永眠いたしました。

突然のことで動揺しましたが、さくらへの哀悼の意も込めて、相続体験記の続編をUPしました。

皆さまの少しでもお役に立ちましたら幸いです。

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