さくぽんの相続体験記 ～相続財産篇～
【前回までのあらすじ】
「キンクマハムスターの女の子、さくぽんの元に大好きなお父さんが亡くなったという知らせが届きました。
さくぽんはお父さんの家に行き、お父さんからの手紙をおばあちゃんから受け取り、葬儀を済ませて帰ってきました。
そしてまずはお父さんの戸籍謄本を取得して、お父さんの相続人がさくぽん一人であることを突き止めたのでした。」
お父さんの相続人はさくぽん一人･･ということは、お父さんの相続に関する一切のことはさくぽん一人で行うことになります。
とにかくやる事がいっぱいで、プレッシャーに押しつぶされそうになりながらも、大好きなお父さんのために、さくぽんはやり抜く決意を固めました。
次に着手するのは、相続財産の確定です。几帳面なお父さんは、預金通帳や証券類を区分けしてまとめておいてくれました。
さくぽんはそこに書かれている会社の電話番号を知らべて、問い合わせの電話をかけてゆきました。
「あの～、この度、〇〇が亡くなりまして、私は〇〇の娘で相続人なのですが、相続手続きについて教えていただきたく、お電話いたしました。」
「お悔やみを申し上げます。それでは、〇〇様の預金口座は凍結いたしますね。こちらから相続に関する書類をご送付いたしますので、ご住所を教えて下さい。」
さくぽんが住所を教えてから数日後、預金等の相続に関する書類が郵送されてきました。
一通り目を通すと、お父さんの戸籍謄本一式が必要とのことでした。念のため、多めに取得して良かったと、さくぽんは安堵しました。
ここで書類に必要事項を記入して、添付書類と共に返送すれば預金等の相続手続きは終了･･ですが、さくぽんは迷いました。
相続財産には、預金等のプラスの財産だけではなく、借金などのマイナスの財産もあります。
もしも、お父さんに借金があったら、さくぽんは借金も引き継ぐことになります。
お父さんの持ち物の中には、借金の証書や返済の履歴はありませんでしたが、さくぽんは独自で調べてみることにしました。
調べた結果は･･、全て借り入れの該当なし！良かった～、これで安心して手続きを進められると思った矢先、またもや不安が襲ってきました。
「もしかしたら、誰かの借金の保証人になっているかもしれない。」
さくぽんは思い出したのです。相続後に、借金の保証人になっていることが分かって、多額の負債を背負うことになった人の話を。
「お父さんは、どうなんだろう？誰かに頼まれて、保証人を引き受けたりしていないかしら？？」
さくぽんは心配でたまらず、夜も眠れなくなってしまいました。いっそのこと、相続放棄をして楽になろうか･･と弱気になった時、ふと、思い出しました。
お父さんからの手紙には、こう書かれていたのです。
「君には自分の思うように、自由に生きていって欲しい。そのために、1000ハムのお金を残したから。」
そうだ！お父さんは私のためにお金を残してくれたんだ！！だから、ちゃんと引き継がないと⤴⤴
真面目で理性的なお父さんのことだから、お金のことにも慎重だったはず。借金があるなら、必ず書類を残しているはず。
さくぽんは大きく息を吸って吐き出すと、再び覚悟を決めました。お父さんを信じ切ると。
かくして、さくぽんは相続放棄せず、お父さんの遺産を継ぐことになったのでした。つづく。
～～～ 解説 ～～～
相続財産の確定は、生前に詳細を聞いていたリ、書き置きを残してくれたら良いのですが、それがない場合は結構、大変な作業になります。
預金通帳や証券等の取引記録、保険の証券やクレジットカードの取引記録等から一件ずつ金額を確定させてゆくので、かなり時間がかかりました。
そしてもしも、マイナスの財産の方が大きい場合は相続放棄を検討することになりますが、期限が３ヶ月以内と決められています。
銀行やクレジットカード会社、消費者金融からの借り入れがあった場合、指定の機関に問い合わせをすれば教えてくれるので、私も問い合わせしました。
↑ こちらは「株式会社日本信用情報機構」へ問い合わせた際に、照会結果を送っていただいた時の封筒です。
相続人、相続財産の調査は複雑なことも多いので、税理士さんや司法書士さん等、詳しい専門家の方にお力添えいただいた方がスムーズに進められるかなと思いました。
かなり固い話になってしまいましたが･･、次回はドタバタのハプニングが起こります。乞うご期待ください(^^;)
