咲(saku) 愛(mana) Day's

日々の生活の中に、”愛おしい”と思えることを見つけてゆきたい

1999年の夏休み

「私がまだ何も知らなかったあの年の夏休み。世界がそれまでとは全く違って見えるようになった。」
湖のほとり。山と森に囲まれた全寮制の学院。夏休みに残った、4人の少年。一人が突然、消えた。
そして、消えた少年とそっくりの転校生がやってくる。4人の関係性は、複雑な感情と共に翻弄されてゆく・・。

1988年に公開された映画、「1999年の夏休み」。私はこの映画を通して、中村由利子さんの曲に出会いました。
監督は金子修介さん。他に「デスノート」等の作品を監督されています。原案は萩尾望都さんの「トーマの心臓」。
トーマの心臓」に強い衝撃を受けた金子監督が、自らの手で映像化したいと長年温めてきた企画なのだそうです。

私は、この映画を映画雑誌の広告ページで知りました。何となく気になって、でも当時は観に行きたいとは思わず。
時が経って再上映されることを知り、たまたま自宅近くの映画館だったので、一人で気軽に観に行ってみました。
まさか、その後の自分に人生に強い影響を与えることになるとは、この時は露ほども思わなかったです。

映画の魅力を一言で表現すると、「透明感」だと思っています。他の映画では感じなかった、圧倒的な透明感。
少女が少年を演じているという、性別が曖昧な世界。一瞬一瞬が絵になるような、美しいを通り越した映像。
そこに彩りを添える、中村由利子さんのリリカルな曲の数々。数十年経った今でも、鮮明に思い出すことができます。

まだ若かりし青春期に、人生で最高の映画に出会ったことは、幸せなのかそうでないのか、未だ分かりません。
ですが、心底魅了されたという感覚を得ることができたのは、やっぱり幸せなことなのかなと思います。
今はそれを、畑での野菜作りと料理、作品作りに活かそうと試行錯誤しているところです(*^^*)

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ロケ地となった、長野県の八千穂高原近くの写真。日本一美しい、白樺の群生地だそうです。